八尾 廣 教授 Hiroshi Yatsuo
建築設計計畫研究室

教員プロフィール

1966年大阪生まれ。幼少期に大阪萬博の建築物を目の當たりにし、思春期に受けた親戚の建築家の影響もあり建築家を志す。東京大學工學部建築學科卒業。同大學院修士課程より、?京都駅ビル?や?札幌ドーム?を手がける建築家 原広司氏のもとで建築を學ぶ。2005年?八尾廣建築計畫事務所?を設立。多くの住宅や建築プロジェクトの設計を手がけ、現在も進行中。建築賞?景観賞など受賞多數。2008年より本學に著任。研究、教育、実踐の相互作用により新しい建築の探求を行っている。

「物語」を共に作るよろこび

「中原の家」の外観。江戸時代より代々この地に住む家族のための家。敷地周辺の環境との呼応関係まで意識し、建物を含めた敷地內のランドスケープをトータルにデザインした。 (2018年竣工、撮影:平剛)

建築家の仕事は、単に「もの」としての建築をつくるだけではなく、建て主の「想い」を実現し、人々が共感し愛著を持つ「物語」を作ることだと考えています。そのためには、五感を研ぎ澄まし、周囲の物理的、文化的な環境や人の気持ちなど、あらゆる「気配」に敏感でなくてはいけない。いわば「環境と語り合う感性」が大切です。 建て主と共に「想い」を形にし、様々な課題を乗り越え、ものづくりに関わる全ての人々と共に「物語」を作り上げてゆく。人々の想いをしっかりと環境に根付かせ未來に殘してゆくことが、建築家にとって最高の喜びであり、この仕事に攜われることを大変幸せに思っています。研究室では実務としての設計を行う私の姿も見せ、やる気のある學生にはプロジェクトに參加してもらうこともあります。ゼミの學生と共に、まちづくりや建築の創作、都市問題への取り組みなど、設計者として「できること」に対して精力的に取り組んでいます。

世界的な視野でアクティブに行動

モンゴル國の首都ウランバートルにて、都市計畫不在の居住地の住居改善を目指し、実態調査を継続している。モンゴル科學技術大學と協力し、市當局や國の機関に対して住居改善の手法に関する提言も行なっている。

私の研究室では建築を環境の一部として捉え、建築デザインやまちづくりの研究と実踐と共に、海外の都市?住宅に関する研究も進めています。 この9年間、モンゴル國の経済発展により人口の一極集中が進む首都ウランバートルで、人々の住まいに関する研究を継続しています。ここでは様々な住環境問題が発生していますが、同時に新しい定住文化の兆しも見られます。モンゴルにおける現代の住文化を深く理解することで、住宅問題の解決にも繋げようと精力的に研究を行なっています。活動は予想を越えた広がりを見せ、現在はモンゴル科學技術大學や、都市計畫、地理學、社會學、文化人類學、植物生態學など日本の異分野の研究者との連攜が進んでいます。2017年にはこうした仲間とNPO法人GERを設立し、ウランバートル市やモンゴル國建設都市開発省、國際シンポジウムにおいて住居改善の提言を行なっています。2019年度からは鳥取大學乾燥地研究センターにて、20世紀以降近代モンゴルの歴史と風土、自然環境と都市の変遷を把握する文理の垣根を越えた國際共同研究も始まりました。住居改善の実現に向けてはまだまだこれから多くの山を乗り越えなければなりませんが、數多くの共感を呼び活動が広がっていることに、建築設計者として「できること」の幅の広さを実感するとともに、大きなやりがいを感じています。

2019年のタイ王國での建築都市視察研修の様子。

學生には広い視野を持って建築に対する思考を深めてもらいたいという思いから、ゼミでは毎年、國內外の建築や都市を視察する研修を行なっています。2019年にはゼミの4年生全員と、経済発展の著しいタイ王國にて伝統的建築と現代建築を精力的に見て回りました。また、キャンパスの地元厚木市においては、これからのまちづくりを市の方々と共に考えるワークショップも毎年行なっています。グローバルな視點と地域に根ざしたローカルな視點の両方を養ってもらいたいのです。

ここには自分を奮い立たせてくれる環境がある

東京工蕓大學の建築コースには大変刺激に満ちた環境があります。「文部科學省 共同利用?共同研究拠點」に採択され、「風工學」で世界をリードする研究を推進している構造?環境系の教員をはじめとして、建築デザイン分野でも私と同様に建築家として実踐を行なっている市原出先生や田村裕希先生のほか、団地再生、ドイツの近代建築史、都市デザインなど、それぞれの分野の教員が多様な研究?制作を精力的に行なっています。それだけではなく、全ての教員が本當に愛情を持って教育にも打ち込んでいます。このような刺激に満ちた環境の中で、學生の間にも自然と高いモチベーションで研究や設計に打ち込む気風が生まれていると思います。みなさんには、広く世界的な視野のもとで日本の優れた建築文化を大いに吸収してほしい。本學の優れた教育環境で広く、深く、建築を學び、世界で活躍する建築家、エンジニアとして羽ばたいてくれることを心より願っています。

建築設計計畫Ⅰ研究室

建築を環境の一部として捉え、建築デザインやまちづくりの研究と実踐、海外の都市?住宅問題の改善に関する研究を行っている。

  • 研究室詳細
  • ※所屬?職名等は取材時のものです。

    化學?材料コース

    學生一人ひとりの興味に応じた専門分野を學び社會で求められる建築のプロを目指す

    少人數制の設計製図演習、充実した実験設備、そして教員と學生の距離の近さが最大の魅力。建築関連の基礎知識に加え、得意分野に合った専門知識を學ぶことで、建築の専門家を目指します。「建築」「構造」「環境」の3分野のデザインをバランスよく習得できる點も特徴です。

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